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青い空に魅せられた彼女
「真っ青な空、綺麗!!」真里が叫んだ
それは、高校3年の達也と恋人の真里が
“初めて” 見る、上空3000mの 雲一つない青空だった。
真里は、昔から青い空が大好きだった。
真っ青な空を見上げながら彼女はいつも言っていた。
「いつか、全天の青空を見てみたい!!」
その意味は、高い場所で360度、どこを見渡しても青空が見える所に行きたいということだ。
達也は真里の隣で一緒に空を見上げながら
「その夢を僕が必ず叶えるんだ!」とずっと考えていた。
そんな時、突然、真里の父親の海外赴任が決まり、
彼女は3ヶ月後にアメリカに引っ越す事になった。
達也は決めた。
「真里がアメリカに行く前に、彼女の夢を僕が叶えてあげるんだ」
達也は具体的な実行計画を考え始めた。
真里の夢を実現するのは、富士山の頂上? 飛行機?
達也の出した答えは、ヘリコプターに乗る事だった。
天気を数週間前からチェックし、少なくともヘリが上昇可能な3000mの高度が完全に晴れる日を見通して、ヘリコプターの予約を入れた。
達也は、この計画を成功させる為、航空気象の勉強をした。天気図の詳細の読み方も学んだ。
全て、真里が期待する全天の青空を見せる為だ。
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