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「僕もこの間気づいたんです。だから、ぜひ君子さんに見せてあげたくて」
「素敵です」
君子はその星の圧倒的な瞬きの群れに、一瞬で魅了された。いつも見ているはずのなんてことない星々が、まるで生きているかのように、二人の真上でめいっぱい輝いていた。
二人はまるで全く別の世界を見ているのような気分で星空を見続けた。
「あの日も、こんな星空だったのでしょうか。あの惨劇の上で・・」
君子は呟くように言った。
「さあ、もしかしたらそうだったのかもしれませんね」
康介は穏やかに言った。
「私・・」
「えっ」
「私、同じ仕事を一年も続いたの初めてなんです」
君子は自嘲気味に少し笑って言った。
「私・・、本当にダメで・・、もうどうしようもないくらいダメで・・、仕事も失敗ばかりでクビになってばかり・・、人とうまくしゃべれないし、性格も暗いし、なんかうじうじじめじめしてるって・・、もっと明るくなれとか、何考えてるか分からないって・・、そんなこと言われてばかり」
「・・・」
「ほんと、私ダメだなって・・」
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