青いウサギの大騒動

3/5
前へ
/5ページ
次へ
彼氏はイケメンだ。 千明はそれとなくすり寄って行き、チラシを渡す振りをしながら、彼氏をベタベタ触っていた。 加奈子は「何よこのウサギ、馴れ馴れしいわね」と彼氏を引っ張って何処かへ行ってしまった。 「加奈子には勿体ないくらい、いい男だわ」などと遠目で見ていた。 すると「痛っ!」誰かに頭を叩かれた。 振り向くと、店長が竹刀を持って立っていた。 「何で竹刀なのよー!」とぼやく千明に「何をぼうっとしてるんだ!さっさと配れよ!」と店長が怒っている。 「分かってますよ」と千明は再び配り始めた。 すると今度は、母親と小さな男の子が近づいて来た。 「わあーっ、うさちゃんだ!」と嬉しそうにはしゃいでいる。 千明は、キッズ用の風船を渡した。 「まあ、良かったわね」と母親が男の子の頭を撫でた。 「うん。でも、このうさちゃんポッチャリだね」と悪気の無い子供の言葉に、千明はカチンときた。 親子が後ろを向いた時、ハサミで風船の紐を切ってやった。 「うわあーん!風船があー!」と男の子が大泣きした。 着ぐるみは皆んな、ポッチャリなんだよ。 そうしていると、今度は小さな女の子3人組が、固まって走って来た。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加