青い薔薇を拒む

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入れ墨を見た私の婚約者は絶句した。それは何? あなた、何か変な団体と付き合いがあるんじゃないの。私は何も答えることができなかった。羽柴とのことを明かすわけにはいかなかった。  あなたは私を愛していない。彼女はそう言って、指輪を突き返した。そうだ。私は彼女を愛していない。私は羽柴から逃げるために彼女を利用したに過ぎないのだ。入れ墨などなくても、結婚したとしても、彼の存在は消えないのに。
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