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良く見ると、この写真の後ろに向日葵の花が咲いてる、白黒だけど、形で解る。
「ばあさんは、向日葵が好きで、話しによると、終戦、焼け野原になった畑に希望を持ってもらおうと、種を植えたのが、きっかけで、ばあさんも種蒔きを手伝ったみたいで、それがいつの間にか代々語り継がれ、この村の花が向日葵になり、今では、観光名所になるくらいの大きな向日葵畑になったんだよ。」
じいちゃんは遠い目をしながら話してた。
「わしと付き合ってた頃も、よく夏になると逢瀬で向日葵畑に行ったよ。」
「ばあちゃん、本当に向日葵好きだったんね」
「うん。前に、向日葵畑から小さい子が泣きながら帰って来て、多分、達矢と同じで迷子になったんだろう、その子か「もう、ひまわり見たく無い」って言ってたのを、ばあさん、悲しい顔で見てたよ。」
じいちゃんは、その時の事を思い出し、辛そうに言った。
「きっと、達矢には、向日葵を嫌いになって欲しくなかったんだろうな、ばあさんは、向日葵と同じ位、達矢が好きだったからな。」
僕は、ばあちゃんがいつも優しく見守ってくれて、どんな事も一緒にしてくれた事を思い出し、胸が熱くなって、泣きそうになった。
「そういえば、私も夏が来ると母と向日葵畑によく行ったのを思いだしたわ。」
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