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~ファーネリア宮殿~
兵士が報告にやって来た。
「申し上げます」
冢宰「どうしましたか?」
冢宰も戦争中なので、軽装備をしていた。
「はっ!ナチ帝国軍が各領に現れました。各領と共に戦闘状態ですが、我が軍が全て優勢です!」
冢宰「そうですか。分かった。報告ご苦労!」
「はっ!」
兵士は下がった。
冢宰は国王の下に行き先ほどの報告をする。
国王「であるか。さすがは聖殿達の結界だな。悪魔や魔族達だけではなく、ナチ帝国の兵士達にもその効果をはっきりするとはな」
冢宰「その通りでございますね。しかし、悪魔や魔族達を先行させて、隣国を攻め落とし、我々の恐怖と不安を煽り、火の領に攻撃を仕掛け、我々の目をそちらに釘付けし、手薄になるだろう他の領にナチ帝国の兵士達を仕向けるとは………フレイム卿達が居なかったら、今頃は我が王国は抵抗も虚しく、四方八方からナチ帝国に蹂躙させているところでした」
国王「その可能性があったな………魔族なら何とかなるが、悪魔となるとな……我が王国の兵士達やギルドに所属している人間でも、そうそう太刀打ちが出来ないだろうな」
冢宰「そうですね。そうなると我が王国はナチ帝国に降伏していると思いますね?」
そうなると王家はやはり、滅亡する。と、冢宰は思っていた。ナチ帝国がこのファーネリア王国の王家を生かしておくことはしない。冢宰もこの王国が王家が滅亡するならば、運命を共にすると決めている。
国王「ウム、だからこそ、聖殿達が居た事に感謝をしなければならぬ」
冢宰「そうでございますね。この戦争に勝利したあかつきにはフレイム卿達の恩賞はどうされますか?」
国王「ウム、そうなのだ。この恩賞が困るのだ。聖殿は欲がなさ過ぎてな。地位は既に最高位で、今回の戦争で5大貴族の中でも発言力がより増す。他の者共にもう最下位とは言わせぬ」
冢宰「そうでございますね。これだけやってにもかかわらずに認めない貴族達が居ますのも事実ですから、フレイム卿には何らかの特別恩賞を与えるべきでしょう」
国王「ウム、であるな………」
しかし、国王は何を聖に与えて良いのか困り果ていた。
●○●
~寮~
戦争が継続中ですが、学園はやっています。理由は戦火になっていないからです。前回、グランパニ公国との戦争は、ファーネリア王国の軍隊がグランパニ公国に攻め込みましたが、当時は、王国に聖達の結界がありませんでしたので、戦況が読めませんでした。ここの世界は伝達は人ですのでに少しでも情報が遅ければ、王都中が戦火になってしまいますが、今回は聖達が王国全体に結界を張ったので、敵軍が攻めているにもかかわらず、安全が確保されました。
私達は、今、エリサの部屋で暮らしています。聖、マリア、リク、エルフ、ミカエルさん、ガブリエルさん、ヒルドさん、ルエルさんが、ナチ帝国の戦争の為で居ません。残ったのは、舞ちゃん、更夜君、そして、私、ユカの3人だけです。
そのエリサも本当は、宮殿に詰めて居ないといけないのですが、万が一の事があるので、ここに居ました。
舞「お姉ぇ達はまだ帰って来ないのね?」
エリサ「そうね。まだ、その連絡は入っていないわね」
舞「そうなんだ?」
更夜「だけど、勇者として召喚された俺が行かなくても良かったのか?」
更夜君が、心配そうな表情を浮かべ言いました。それを言うならば、真の勇者として召喚された私が戦場に行かないといけなくなります。
エリサ「良いんですよ。更夜さんは、まだ、中等部なのですからね。逆に勇者と言えとも、まだ、中等部の子供に戦場に行かせるとは何事だ。と、言われてしまいますよ」
舞「それはお姉ぇ達も言っていたでしょう?これは、タイミングの問題よ」
と、2人は言いました。
更夜「そうだな」
更夜君は2人に言われて、安心した表情を浮かべていました。それに、一刻も早く戦争が終わって、聖達が無事に帰って来て欲しいです。
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