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第3章 芽亜里の夢
芽亜里は俺の顔から視線を外して言った。
「お医者さんにはナルコレプシーらしい、と言われたのですがはっきりとはわからないそうです。」
俺は返事に困って黙った。芽亜里は更に続けて口を開いた。
「ナルコレプシーって、すごくはっきりした夢を見るんです。昼間に突然眠気に襲われた後に……。でも私の場合は、それが時々仕事に役立つんです。」
芽亜里は俺の顔を見ながら言った。
「えっ……、それってどういう事ですか?」
芽亜里は微笑しながら言った。
「今回も、それが起きると思います。
旅が終わる頃にはわかってもらえると思います。」
俺は思わず、芽亜里の顔を見つめた。
「変な事を言う人間って思ったでしょう?でも最後まで付き合ってくださいね。」
俺は返事ができなくて芽亜里の顔を見つめたままだった。
「私の場合は3日に一度くらいの割合で起きるんですが、それが私の探している事に重なる場合があるんです。今日あたりそれが起きると思います。事前にお知らせしておきますが。」
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