暑いときには涼しい青が

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「あ、そうですか…」 「あ、はい。そうなんです。なんかすいません」 「いえいえ、ただの軽い熱中症ですから」 「あーそうなんですか…」 「はい。ちょうど目を覚ましましたので…」 遠くからなんか会話をする声が聞こえてくる。 あ、足音が近づいてきた。 「はい。どうもー」 「一応、あなたの名前を聞いてもいいですか?」 …え?私の名前? 「え!あ、私、椎名萌です。」 「はいはい、椎名さんね…。 椎名さんもう気分は悪くない?」 「あ、はい。大丈夫です。…?」 「あれ、もしかして椎名さん、何も覚えてないの?」 「え…?はい。まあ。覚えてないです。」 「椎名さんね、電気屋さんで入った途端に倒れたんですよー。」 えっ!?? 「それで、ちょうどそこにいた蒼井さんがね、救急車呼んでくれて、ついてきてくれたんだよ」 はぁー私、カッコ悪ッ。 何やってんだろ… あ、あのイケメンさんは? 「あ、ちなみに椎名さんは軽い熱中症だね。」 「長いこと、暑いところにいたんでしょう?ちゃんと気をつけないとダメですよ!」 そうだっけ?…そういえば、、 ここ最近ずっと家で扇風機だけで過ごしてたから… 「これからは気をつけでくださいね」 はい…すいません。 待って待って…っていうか蒼井さん?だっけ?この人ずっと待っててくれたの…? 「あの…。すいません。蒼井さん?ありがとうございました。」 私は、とにかくお礼を伝えたかった。 「あー、いえいえ、全然! 逆に大丈夫でしたか?お客様……椎名さん。」 んん???待って、このお客様っていう呼び方と声。 もしかして、あのイケメンさん!!?? 私は勢いよく起き上がった。 うわぁぁーー頭痛い…。 「あぁ、大丈夫ですか!椎名さん!!」 待って、やっぱりイケメンさんだぁー!! 「なんか、顔が赤く見えますけど、熱でもあるんじゃないですか?椎名さん本当に大丈夫ですか?」 蒼井さんが私を心配してくれてる!なんかやばい。 蒼井さんはずっと一緒にいてくれたみたいで、青いお店の服のままだった。ずっと、一緒にいてくれてたなんて、ちょっと照れる…?
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