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人里離れたあの小屋で、家族三人で暮らしていたソレ。
両親は数年に一度、山では手に入らない品を買いに町に行っていたようだ。
八年前も町に行った両親だが、帰ると言っていた日時を過ぎても戻ってこなかった。
何かあったのだろうかと心配になったソレは、両親を探しに初めて町に向かった。
三日三晩歩き続け、ソレはやっと町に辿り着いた。
両親の行方を聞こうと通行人に声を掛けたソレだが、ソレの容姿を見た者達は怯えた顔をし、蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
人っ子一人いなくなった繁華街で、ソレは茫然と立ち尽くしていた。
すると、揃いの制服を着た屈強な男達が現れて、ソレの身を拘束した。
牢獄に投げ込まれたソレは、男達に容赦のない暴行を受けた。
『白髪に赤目、死体のように白い肌は、町に災いをもたらすと言い伝えられている悪魔の姿と瓜二つ。なんとおぞましく醜い姿なんだ! 化け物め!』
男達が口走る罵りで、ソレは自分の容姿が見るに耐えないほど醜いのだと知った。
両親も、醜い自分に嫌気がさして、遠い世界に逃げてしまったのではないだろうか、とソレは考えるようになった。
肉体的にも精神的にもボロボロになってしまったソレだが、なんとか警備の目を盗んで逃げ出し、小屋に戻ったのだという。
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