待ち合わせの後はそばにいて

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 そりゃあ、彼女の浴衣姿は楽しみだ。色白だから、原色が映えるだろうなあ、なんて想像もしてみた。花火だって久々だし、なんなら外でデートって言うのも久々かもしれない。 (最近はずっと家で会うばっかりだったもんなあ)  暑すぎて外出する気にならなかった、というのは言い訳だとわかっている。  交際して2年。ウキウキした気分で出かけるような期間はとっくにすぎてしまった。家でゆっくり過ごす方が楽だ。 (おせえなー)  スマホをもう一度確認する。先に会場に入ってたこ焼きでも食べてようかとも思うが、この人混みだ。探すのは疲れるし、探し当てられずに散々文句を言われるのが目に見えている。 (なんだかなー)  未だに既読になっていなかった。まだ、美容院にいるのだろうか。それとも、下駄が痛くて歩けなくなったか。どこかでナンパされて、ホイホイついて行ってるなんて。 (ないよな)  そう思いながらも、にわかに不安になってくる。 『ごめん。怒ってないから、早く連絡してくれ』  メッセージをもう一度送る。  すると、ようやく既読がついた。 『ごめん、スマホ家に忘れてた。めっちゃ走ってる!』  ホッと息を吐く。 『走りながらメッセージを送れるはずないだろ。いいから、ゆっくり来い』  OKと口からセリフの飛び出たクマのスタンプが送られてくる。 (来たら、なんて言おうか)     
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