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女子高校生のような出で立ちでありながら少女は右手に小太刀、左手にUの字をした銀色に輝き夕日を跳ね返す音叉のような物を持つ。
空中に浮かぶ手首より幻想的な少女はトンと音叉で空気を叩いた。
何も音はしない当たり前だ。
だが少女は構わず二度三度と音叉で空気を叩いて回り出す。
旋回する軌道で小太刀を振るう。
舞いを踊るように少女は音叉を振るい小太刀を払う。
何の意味があるのかは分からない、分からないが心は綺麗だと感じた。
「綺麗だ」
俺が呟き音叉が振るわれたとき。
プーーーーーーーーーーーーーーンと小太刀が共振をした。
トンと音叉を振るえば小太刀が共鳴し、共鳴した小太刀が空気を切り裂く時。
世界に美しい、一音が響いた。
それはトライアングルのような音。
一音響いて、舞い踊り、二音が響いたときには旋律が紡がれ出す。
少女は可憐に踊り、旋律を奏でる。
幻想的に硬化質。
例えるなら雪国の夜。
降り積もり雪原。
風も無く冷たく静寂に包まれ空気さえも凍り付き。
ただ月だけが楚々と月光を降らす。
時さえ凍り付き空気すら砕ける。
そんな幻想が浮かんでくる。
「雪月流、風凍る夜」
少女が舞いを踊りきり、そう宣言をすれば。
右手に持つ小太刀が振動し銀光に輝く。
「参ります」
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