第一話 出会い

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第一話 出会い

 俺は人間が嫌いだ。  昔人よりちょっと違うというだけで、俺が何嫌なことをしたわけじゃ無いのに酷いいじめを受けた。  その時普通の人としての心は死んだ。  多分俺が人並みの幸せを掴むことは無いだろう。  たかがいじめと他人は言うが、本人にとっては元に戻せない傷となる。  大けがをしたとき、体は元に戻らない。絶対に傷跡は残る。  それと同じだ。  俺の心はもう普通には戻れない、奇形となって生きていくしか無い。  故にいじめを受けた者は普通の幸せは二度と手に入らない。  俺はいじめを受けて心に傷を負い、傷が塞がったときには人が信じられなくなった。  だからといって他人を拒絶したりしない、そんなことしても何も成らない。  迫害されるだけだ。  知恵を身に付けた俺は、笑顔で適度な距離を保って付き合う。  所謂いい人の仮面を被った。  人に対して嫌なことはしない。  でもそれだけじゃ人間舐められまた虐められる、だからもう一つの掟を刻む。  されたら全力で仕返しをする。  これはそんな俺の物語。
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