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街の中は数人の手下しかいなかったので、意外とあっさりと、魔人の住処に辿り着くことが出来た 街の最奥の、恐らく昔は長たる者が住んでいたであろう建物の広間に、魔人は剣を片手に待ち構えていた 「外がうるさかったから、招かざるものが来たのだと、すぐ分かったよ。でもまさかお前とはね、カバネ」 師匠の顔で、師匠の声で、しかし師匠とは違う赤色の瞳を細めて、魔人は嬉しそうに言った 「師匠の体を、これ以上穢すんじゃねぇっ!」 叫んで俺は地面を蹴り、魔人に剣を振り下ろした。振り下ろした剣は、いとも簡単に振り払われた 「なんだ、あの日からお前はそれだけしか成長していないのか?カバネ、師匠として私は悲しいぞ」 剣の一振で吹き飛ばされ、壁に打ちつけられた俺の傍らに、ノロイが走り寄った 「カバネ、ボクは今こそ、使いたかった黒魔法を使うヨ!だから、カバネはカバネのタイミングでアイツに攻撃してよネ」 ノロイは俺の前に立ち、本を片手に呪文を唱えた。足下には禍々しい魔法陣。呪文が終わった直後、黒くてドロドロとして、それはそれは禍々しい、むしろ魔人よりも禍々しい何かが現れた。それは一直線に魔人に向かって行き、魔人の体を包んだ 「な、んだ、これはっ」 今だ!今しかない!俺は魔人に向かって、走り出した 「ししょおぉぉぉっ」 師匠から譲り受けた剣が、師匠の心臓を貫いた
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