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「ぐあぁぁぁっ」
「師匠!」
今から10年ほど前だ。俺の左腕の傷から、黒く禍々しい魔物が姿を現したのだ
『お前の中で、十分休ませてもらった。今度はその男の体に入り、思う存分、人を喰らおう』
魔物は抵抗する師匠の口から体に入り込み、師匠の全てを支配しようとしていた
「カバネ…いいから……逃げろ」
「師匠!嫌だ!」
「……私の…剣を………お前に……」
そう絞り出すと、次の瞬間には師匠の目は、魔物のそれに変わっていた
俺は悔しくて悔しくて、泣きながら、地面に落ちた師匠の剣を手にして、必死にその魔物から逃げた
強くなって
必ず
必ずあの魔物を倒し、師匠を魔物から解放するのだと、強く誓って…
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