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「お上品でちゅねぇ、奇麗事しか知らないお坊ちゃまは」
西村の顔に皮肉めいた薄笑いが浮かぶ
中学時代、放課後のグラウンドでサッカーボールを追いかけてた頃は明るくて、チームのムードメーカーだったのに。ひょうきんさが消えた現在、西村は口をへの字に曲げたへそ曲がりだ
「そうかもね」
面倒くささ9割、寂しさ1割の気分で適当に頷く
否定すると障害者枠で就職した西村は、障害者を馬鹿にするのか、障害者手帳を高く掲げがなり立てる。他の障害者が肩身を狭くするのもお構いなし、注意されたら、弁護士を連れて出社してくるから誰も相手にしたがらない
今も、胃の辺りを手で押さえた課長が面倒を起こしてくれるなよ、祈るような目を僕に向けてる。課長は大変だ、上司として西村の尻拭いをして回るのだから。僕は課長を見てると心から、出世はしたくないと思う
「やっぱり高木って、女には食指が動かない系?」
はいはい、エイちゃん絡みの嫌みね
「そうでもない」
「じゃあさ性別なしにして、何人くらいと付き合ってたわけ」
「そのリサーチどこで活用するの?」
「ウゼェな、ごちゃごちゃ言わず答えろよ」
ウゼェのはお前だっての
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