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「うるさいチビ」
「はあ? 乙女に何て暴言を吐くのよ」
「乙女なら僕の足元を照らす優しさを見せろよ」
「黙れ」
ピタ、口を閉ざした僕と女の子。低く僕らを恫喝した男が女の子に手を伸ばす。ミニライトは元々男のものらしく、女の子から受け取ったソレを
「お前にやる」
僕の手に置いて
「じゃ、頼んだぞ」
問答無用で去っていく非道っぷり。あの男ぜったい
「エイちゃんの、バーカ」
エイちゃんだったと思う
「知り合いなの?」
「キミは?」
「知らない。知らないけど・・・・・・助けてくれたの。でも、何があったか言ったらダメだって、もう二度と、危険な目に遭わないためにも」
「そう」
他人に話せない。何て言い方するから嫌なやつ、思ったけど、僕と女の子を守るためだったのかな。手を繋いでから、女の子が震えてることに気づいた
サイテーだ、僕
ここに女の子を捜していた男が戻ってくるかもしれない。ソイツを牽制するために男は僕たちから離れたのかもしれない。僕でさえ不安がこみ上げてくるんだ、危険な目にあったらしい女の子なら恐怖も強いだろう
「行こうか、交番」
「うん」
大丈夫だよ、伝えたくて女の子の手を強く握った
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