プロット

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 魔術の媒介を扱う商人を介して専門家である魔術師を雇うなり、方法はあったはずだ。しかし管理人は少しでも支払う金額を減らす為に自らの事情をぼかし、難易度を低く見積もった依頼を冒険者ギルドに出したのだ。  管理人が失敗したのは、管理人が想像する以上に状況が悪化しており、地下室に魔物がはびこってしまっている事態に陥っていたことだ。地下室の管理だけは魔術師が行っていたこともあり、地下室がどのような状況であるか管理人が確認していなかったことが原因だろう。  管理人の話を聞いたレイアスは激怒したが、イリスになだめられて冷静を取り戻す。管理人に冒険者ギルドへ救援を要請するよう指示を出し、自身はイリスと共に地下室から魔獣が出てこないよう見張ることにした。  街中にある館だったこともあり、迅速に処理する必要があったのだろう、ギルドマスターのガナンが直接館にやってきた。レイアスは状況を説明し、集まった冒険者達と再び地下室へ入る。  散乱した資料や魔術道具。埃臭さに魔獣の血の匂いが混じる地下室をレイアス達は進む。一つ一つの部屋を確認していると、最後に厳重に封印された扉を見つける。 ガナンと共にその扉を開放すると、そこにいたのは魔獣よりも巨大な、蟻だった。  力を合わせて蟻を倒し、魔獣を全滅させたことを確認する。その後は散乱し破損した資料や魔術道具の整理を行う。  魔術師は考古学者でもあったようだ。どうやら古の時代についての調査も行っており、最近になってとある遺跡から何かを発見し、持ち込んだらしい。  それは最後に戦った蟻の卵だった。館に持ち込まれたのは一年程度前のことであり、まだ幼体であった可能性がある。実際に戦ったレイアスは、もしもあの強さの蟻が実は幼体だったのだとしたら、成体ではどれほど強いのかと身震いした。  そしてイリスが蟻の卵が見つかった遺跡の資料を発見する。場所を特定すると、ガナンはレイアスに遺跡の調査を依頼するのだったーー。
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