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僕と君
目も開けられないほど眩しく、全身が溶けてしまうほど熱く、声が出せないほど喉は乾き、そんな季節の太陽に君はそっくりだ。
初デートはこの時計台の下からスタートだった。
君の私服は初めて見る。中学で出会ってまだ数ヶ月だから、私服を見るときもなかった。
白いブラウスに、少しフリルのきいた薄ピンクのミニスカート。黒のポシェットも黒のサンダルもまた際立たせている。
僕はファッションなんて分からないけれど、僕好みの服装だった。
僕らは映画に向かうことにした。
「わっ」
その瞬間、君は段差に気づかず転けた。
そして、スカートから見える、青いシマシマのパンツ。
僕は女性の下着なんて分からないけれど、僕好みの下着だった。
君は目も開けられないほど恥ずかしがり、全身が溶けてしまうほど火照り、声が出せないほど困り果て、そんな僕と君もとても青い。
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