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「ここに来るのも久しぶりだなジョー。一年ぶりくらいか?」
「えっと、確か二年ぶりだったような気がします」
京橋駅近くにある、喫茶メルボルン。
突然思い出したように、吸い寄せられるように、階段を上りビルの二階にあるお店に入っていくフィリップとジョー。
「チョリーンっす」
『いらっしゃいませ』の挨拶を期待していた二人は、思わず顔を見合わせて目配せした。
「すみません間違えたようで。あの、この近くに"喫茶メルボルン"てお店ありませんでしたか」
「いやいやいやちょっとマテ茶。ようこそ灼熱地獄のオアシス、喫茶メルボルンへ。どこでもお好きな席に座っちゃってー」
首を傾げながらも、せっかく来たからとテーブル席についたフィリップとジョー。
今日はお客さんが少ないようで、隅っこのテーブル席に一組の男女のカップルがいるだけ。
「さ、寒くないですか?ちょっと冷房効きすぎじゃないかな……」
店内は空気が冷えきっていて、外の暑さとのギャップが凄い。
ジョーに風邪を引かせる訳にはいかないと、フィリップは店員を呼んだ。
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