ブルー・エラー・リセット

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「見て、お兄さん、雨だよ!」 いつの間にか、空は灰色。 ポツリ、ポツリと雨は降り始める。 「やった! また、クジを最初から書き直しだ」 初めて、少年の少年らしい笑顔を見た。 でもやっぱり哀しい気持ちになったよ。 俺以外に、こんな気持ち与えなくていいのにさ。 少年の笑顔は、青空のおかげではない。 リセットできる、雨のおかげ。 だから少年は青色のクレヨンで線を書いていたのだから。 俺は空に、奇跡を夢見ずにはいられない。 少年の優しさが雨になって両親の元に降り注ぎますように。 どうかこの雨が、少年が描いたクジを全部流して全て消してくれますように。 少年が哀しい決断を、選ぶその時まで最後まで、夢が降り注ぎますように。 青い線が雨で消えていくのを見ながら、俺はただただそう願ったんだ。 Fin
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