6. Stand by Me(スタンド・バイ・ミー)

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「ところで七海ちゃん、お話って何かしら?」  あかねに言われて七海はハッと我に返った。 「はい、あの……。この間、私が『堀之内って苗字の方が親戚にいませんか?』って訊いたこと、覚えてますか?」 「ええ、覚えているわよ」 「その……、実はその堀之内さんっていう人の母親に、あかねさんがそっくりなんです」 「まあ、そうなの? 一回会ってみたいわ」  あかねは無邪気な笑顔を浮かべた。 「でも、その堀之内さんのお母さんはもう亡くなってしまっていて……。それで、あかねさんと堀之内さんのお母さん、顔がそっくりなだけでなく、左手にやけどの痕があるところまでそっくりなんです。何というか、偶然にしては偶然に思えないな、と思って……」  言いにくいな、と七海は思いながら、ところどころ詰まりながら何とかあかねに事の次第を話した。 「このやけどの痕まで?」  あかねは自分の左手のやけどの痕に目を落とすと、ジェラートを食べる手を止めて(うつむ)いてしまった。  七海はあかねが急に真顔になったので、「やっぱり、ヘンな話をしてしまったかな?」と思ったが、やがて、あかねは顔を上げて真剣な表情を七海に見せた。 「あかねさん……?」  七海は急に真剣な表情をしたあかねに少し戸惑った。
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