31人が本棚に入れています
本棚に追加
/298ページ
七海はあかねと連絡先を交換すると、歩いてワイナリーを後にした。
(――まさか、あかねさんの記憶がないなんて)
やけどの痕まで一緒だから、もしかすると晶の母親ではないかと思ったが、「もしかすると」が「やっぱり」に変わったくらいの衝撃的な事実だったな、と七海は思った。
信彦は前、晶の母親は数年前の地震の時に、階段から落ちて頭を打って亡くなったと言っていた。
(――あの地震、確か6年前だった)
晶の母親が亡くなった年とあかねの記憶が無くなった時期も一致する。
これはもう、「偶然」で片づけられる問題ではなさそうだ。
最初のコメントを投稿しよう!