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* * * * *  七海が瞼を開けると、見慣れた自分の部屋の天井が目に飛び込んできた。 (――えっ?)  七海は慌てて身体を起こした。  辺りを見渡すと、見慣れた自分の部屋のベッドの上だ。パジャマも着ているし、枕元には七海が読んでいるお気に入りのファンタジー小説の最新刊が転がっている。 (――でも、私、さっきまであの男と一緒にビルの中にいたはずなのに)  七海は枕元の目覚まし時計に目をやった。  4/11 土 4:44  土? 土曜日? 4時44分? と七海は自分の目を疑った。  さっきまでは確かに金曜日の夜で、あの男とビルの中にいたのに……。  いつの間に自分は時間と距離を飛び越えて、早朝の自分の部屋のベッドの上にやってきたというのだろうか。 (――もしかして、私、今まで夢でも見ていたって言うの?)  七海は「信じられない!」という気持ちで目覚まし時計を見つめたが、段々と眠たくなって来て、再びベッドに横になった。  そうだ、まだ朝の4時だ。取りあえずもう一度寝てから考えよう。  七海はそのまま吸い込まれるように眠りの世界へと入って行った。 * * * * *
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