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第四幕
翌日、スポーツ新聞各紙にカゲオの事件が大々的に掲載された。
「カゲオ、暴行!」
「カゲオ、隠された裏の顔!」
「いじめられっ子キャラは嘘だった!」
「アクト・ナチュラリー劇場打ち切りか?」
スポーツ紙はセンセーショナルな見出しを次々と掲げていた。記事には週刊レッドカードの内容が引用されていた。
この手のトラブルは有名人に不利である。相手は名前が出ないのに有名人側は大きく名前を出される。いきさつはまるで載っていないのに、カゲオが一方的に悪いかのように扱われていた。
残念なことに他に大きなニュースもなかった日のようで、各紙の紙面はカゲオの話題で溢れていた。
新聞だけでなく、テレビのワイドショーもひどいものだった。これまでアクナチを褒めていたコメンテーターたちが、手のひらを返したかのようにカゲオを非難している。
「カゲオは天狗になっていた」
「そういう奴だと思っていた」
「あいつならやりかねないと思っていた」
「有名人としての自覚が足りない」
誰が証言したのか、事情通の話として紹介されていた。
カゲオは合宿所の食堂で、震えてテレビを見ていた。
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