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『企業戦隊、ブラックレンジャー!』
謎の爆発が起こり、俺は驚愕した。
「ネオニト様! 今日こそはあなた方の悪事を成敗いたします!」
緑が率先して口火を切るので、おそらく奴がリーダーなのだろう。
「くそ……ブラックレンジャーめ……ついに台場支部にもやってきたようね!」
トリダー様が苦々しく言う。
え。ネオニトって台場支部とかあるのか。
「港区、品川区、目黒区あたりには大体あるわ!」
トリダー様は俺の疑問に答えてくれる。おかしい。喋ってはいないはずなんだが。
「ああお客様。こう立て続けに問題を起こされては困りますお客様。おかげでこちらは14連勤です!」
黄色が言った。うわぁ。14連勤ってなにそれおぞましい。
「皆、やっておしまい!」
そんなことを持っていると、トリダー様が鞭を鳴らす。そうすると、先程までワイワイ騒いでいた怪人連中が集まり、一斉にブラックレンジャーに襲い掛かっていく。
「グリーンさん! あれをやりましょう!」
青が率先していった。
「了解!」
六人は集中すると、それぞれ武器を取り出した。
「社訓の唱和!」
「清く」「明るく」「丁寧」「のびやかに」「迅速に」「闘志を持って」
六人それぞれの武器が合体していくと、巨大なバズーカのようになっていく。
「お仕事、楽しいです!」
その瞬間、バズーカから光のエネルギーが照射され、トリダー様と俺以外の怪人がその光にかき消されていく。
「おやさぁあああああああああああああああん!」
特に思い入れは無かったが、俺は思わずそう叫ばずにはいられなかった。
光に消される間際、怪人になったおやっさんは親指をサムズアップしていた。
クソだせぇ。俺はそう思った。
「チッ……出直すよ! アンタはついてくるの!?」
トリダー様は俺に向かって言う。
「着いていきます! どこまでも!」
世の中に出ると、14連勤なんて恐ろしいものがあるなら、俺はここに居た方がましだ。
そうして、俺の反旗は終わったのだった。
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