3.竜目祭当日

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(な、何でこんなタイミングで……!)  と、心の悲鳴をあげずにはいられない。  マッシーモは身を隠すようにして、数人の友達と話しながら体育館へ入ろうとする雪町君とすれ違った。 「今バンドでしょ?次もバンド?」  雪町君の友達らしき男子が、どこかかったるそうに話す。 「うん」  今返事をしたのは、雪町君だろうか。  マッシーモはつい立ち止まり、振り返ってしまう。 「なんかたりぃな」 「ま、ステージ見るだけなら長時間座ってられるし」  雪町君たちは、気だるそうにそんな会話をしていた。 「んで、バンドの次は?」 「あー、そん次は青グラのダンスだってよ」  それは確かに、雪町君から発せられた言葉だった。  私たちのことだ、とマッシーモの心臓がズギュンと跳ね上がる。  手元にあるプログラムに視線を落としながら、雪町君がさらに言う。 「青グラのダンスって。しかも四人とか人数違うし」  横顔に開く口元。  初めて近くで聞いたその声の主の口元は──。 「つか期待値超低いんだけど。見て大丈夫なの? なんか変な空気になんない?」  半笑いだった。 「つーか有志とかいってさぁ、この人たち好き好んでよくやるよな。恥ずかしくねーのかな」
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