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瞬間、マッシーモの頭は真っ白になった。
ドクドクドクドク。
心臓が痛くなり、何だか耳がキンキンする。
恥ズカシイ。恥ズカシイ。
今から私のやることは恥ズカシイ。
笑われる。
半笑いで見られる。
鼻で笑われる。
私は今から、笑われる───。
そんな思いが、頭の白紙のノートに乱暴に書き殴られていった。
マッシーモは、昇降口のトイレに逃げた。
背後で、バンド演奏が始まる。
人気バンドの有名な曲。
このステージにそぐわしいたどたどしいドラムとギターとベースの三重奏は、マッシーモの耳をすり抜けて消えた。
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