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「やっぱり怖い。恥ずかしい。出たくない」
顔を覆ったまま、くぐもった声を出すマッシーモ。
それには皆「えっ」と驚き、固まってしまった。
「え、ちょ、何言ってんの今更」
すえちゃんは戸惑いを隠せず、むしろ半笑い。こんなすえちゃんが一番怖い。
「体調悪いならまだしも、恥ずかしいとかってさぁ……。何?」
瞬く間に喧嘩腰になるすえちゃん。
マッシーモはついに嗚咽し、心の声を吐露してしまう。
「だって……そもそも青グラは三人組なんだしさ、私一人が欠けたってさ、何も変わらないよ」
「はあ?何勝手な事言ってんの、ここまで四人で練習してきたのに」
怒りを露にするすえちゃんに一瞬びくっとするマッシーモだが、みのが間に入って「待って待って」と仲裁する。
「私、ホントはやりたくなかった。わたちゃんのせいだ。わたちゃん、何で私を誘ったの?私そんなキャラじゃなかったし、キレッキレに踊れないかもしれないし、変な空気になるかもしれない」
心の声が思わず漏れてしまった事を、マッシーモ本人は気付いていなかった。
マッシーモの言葉に、皆しぃんとなる。
怒りや失望からではない。
皆、マッシーモの気持ちがよくわかったからだ。
確かにマッシーモは全校生徒の前でダンスをするようなキャラではない。
運動神経的にも、性格的にも。
わたちゃんが無理矢理引き込んだ形で、無理矢理練習させられたというきらいもあった。
今までよくついてきた方だと思う。今だって、ダンスは完璧とは言えないかもしれない。
普通には振る舞ってはいたけど、本当は不安と緊張で押し潰されそうだったのかもしれない──。
そう思うと、皆返す言葉を失ってしまった。
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