4.マッシーモはまだ知らない

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「マッシーモ」  沈黙を破り、わたちゃんがマッシーモの近くに屈む。  マッシーモは顔を上げた。 「うん。ごめんね、マッシーモ。私のせいだ」  いつものあっけらかんとした顔ではなく、わたちゃんは切なそうに笑っていた。  こんなわたちゃんの顔を、マッシーモは見たことがない。 「まぁ恥ずかしいよね。ダンス経験もないうちらがさ、いきなりダンスとかやってさ。中には『よぉやるな~』って感じで冷ややかに見る人もいるだろうよ」 「…………」 「無理強いさせちゃったしね。うん。ホント、悪かった」 「──……」  ──…違う。  違う、違う、違う。  わたちゃんのせいじゃない。わたちゃんのせいじゃない。  マッシーモは必死に首を振った。 「マッシーモを誘ったのはさ」  わたちゃんがマッシーモの背中をポンと叩く。  この感触がお母さんみたいだなと、マッシーモはおぼろ気に思った。 「マッシーモとね、一緒にやりたかったからなんだ」
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