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有志担当の先生である真面目堅物一辺倒でお馴染みの国語科・神帰先生に提出した企画書も通り、かくして練習の日々が始まった大綿とゆかいな仲間たち。
3階の空き教室を借りての怒涛のダンスレッスンである。
家でも動画を見ながら体を動かし、学校でも昼休みや放課後、連日「えんじょい♪~青色設計図~」を流しダンスをし続けた。
頭の中が「えんじょい♪」で一杯になり、ダンスの振りも通しで覚えられるようになった、ある日のことである。
「マッシーモの動きってさぁ、キレが足んないよね」
放課後の練習中、すえちゃんのダメ出しが矢のように飛んできた。
彼女の言う通り、マッシーモの動きは他の三人に比べてキレッキレではなく、ワンテンポずれたようなふにゃりとした動きだった。
「ど、どうしても緊張と照れが抜けきれなくて……」
「それじゃあダメじゃん、青グラはキレが命なんだから」
言い訳しても、ピシャリとはね除けられる。
すえちゃんはいつも手厳しい。
そんな時、穏やかな性格のみのはいつも「まあまあ」と割って入って場を収めようとしてくれるのだが、本番が近づきピリピリしているのか、すえちゃんは引き下がろうとしない。
(うう、すえちゃん怖いぃぃ)
マッシーモはつい逃げ腰で、みのを盾にしようとしてしまう。
と、その時──。
「はい~はい~!」
突然、わたちゃんのこぶしの効いた声と手拍子が、教室内に響いた。
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