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わたちゃんの急な号令に皆戸惑うものの、条件反射のように輪を作り、「ドドンガドン」と最初の手拍子を始めてしまう始末だった。
「は。何で急に大根引き音頭?」
我に返ったすえちゃんは、釈然としないながらも出だしの大根を引く振りをする。
「ねー」
同意しながら、みのも体が自然に動いてしまう。
「♪大根わさーと土から……。──あれ?」
マッシーモは、ひとしきり歌って踊った後に我に返った。
「私、怒られてたんだった……」
「私、怒ってたんだった……」
マッシーモ、すえちゃんの順に顔を見合わせる。
各々のリアクションを見て、わたちゃんは踊りながら「ぎゃははは」と腹を抱えて笑った。
「みんなウケるー。大根引き音頭になると勝手に体動いちゃうみたいな」
わたちゃんの言葉に、皆納得した。
わたちゃんが急に『大根引き音頭』を始めたのは、マッシーモの緊張と体を解す為、そして場の空気を和ませる為だったのだ。
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