5.『えんじょい』の向こう側

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5.『えんじょい』の向こう側

 ステージ発表の前、マッシーモたちは手を繋いで深呼吸していた。 「スモーク焚くらしいよ」 「うそ、どのタイミング?」 「サビとかの絶妙なタイミングで」 「絶妙なタイミングって」 「その辺は先生の推量に委ねるしか」 「神帰せんせーを信じるしかないねー」  顔を見合わせてクスクス笑い合うと、緊張が解れた。  6分32秒後、彼女たちは無事にステージを終える。  ステージを見ながら一緒に踊ってくれる小さい子もいたし手拍子もあったので、決して変な空気にはならなかった。  皆完奏まで大きな失敗もせず踊りきることができ、特にマッシーモは吹っ切れて雪町君に当て付けるようにキレッキレで踊りまくったので、過去一の出来でステージを去る。  そして皆知ることになる。  何事も、楽しんだもの勝ちだということを。  そのかけがえのない時間は、青く尊い。  まさに青色グラフィティなのである。
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