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「降りられません、偉大なるお母様がずっとここにいるようにと言ったからです」
「そんなところにいると雷が落ちて燃えてしまうよ」
「偉大なるお母様はその時はその時だと」
「お母さんはどこにいるんだね?」
「屋根の下に」
警察と児童保護局の人は魔女の穴の中を探しましたが、魔女を見つけることはできませんでした。
「中にはネズミの死骸と巣を貼った蜘蛛しかいない」
「偉大なるお母様の部屋は、扉の前で一周回って閉まれといわなければ開きません」
青は言いました。
しばらくして、魔女の穴の扉から警官が暴れる魔女を連れて出てきました。
巣穴から引きずり出された魔女は屋根の上にいる青を見つけると大きな声でののしります。
「お前は本当に何も役に立たない子だよ。お前なんか作るんじゃなかったよ」
警察官と児童福祉司は、魔女をおとなしくさせようとしましたが、魔女は長い爪で警察官たちをひっかいて暴れます。
それらの騒ぎに、あたりには人だかりが出来ていました。
するとその時、人だかりが割れて、1人の女性が歩いて来ました。
「どうしたのですか?」
歩いて来た女性を見て、警察官や児童福祉司は仰天し、口々にその名を呼びました。「王妃様!」
ざわざわとする周りの人達を王妃はとどめます。
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