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「ひとだかりがしていて、男の子が大変だと聞いて来たのです。私が助けられることがありますか?」
警官に捕まえられていた魔女は、突然地面に倒れて暴れ出しました。
「うー。うーっ」
魔女の長い指はカギ型によじれ、白目を向いて地面の上で身をよじります。
「まぁ、大丈夫ですか?」
心配げに近寄って来た王妃の手に魔女は長い指を絡みつかせました。
それはおつきの人も警官も静止できない一瞬の間のことでした。
「ああ王妃様、私の持病なんです。いつもこうなるんです」
「まぁ」
「気がついたら記憶がないんです。だから、この子は私には育てられない。王妃様、王宮で引き取っていただけませんか?」
「まぁ」
「王妃様、しかし」
王妃のおつきの人が王妃を止めようとします。
「青、屋根の上から降りて、タップダンスを踊るんだよ」
魔女が、命令すると、青は屋根の上から、ひとっ飛びで飛び降りて屋根の下に着地し、王妃の前でタップダンスを披露しました。
男の子のダンスの見事さと男の子の可愛らしさに、人々が歓声をあげ、拍手を鳴らしました。
「ね、この子はなんでもできるんです。けど私では育てることもできない」
「ええ、ええ、わかりました。私が引き取って、学校へもやりまししょう」
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