エー玉

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エー玉

ー side僕 ー 小さい頃から夏祭りに行くと僕は必ずラムネを買った。ラムネが売っている出店の前を通った時、母にせがんで初めて買ってもらった。僕は特にラムネが好きだった訳ではない。飲み終わった時に手に入る、アレが欲しかっただけである。出店のおばさんにビンの開け方を教えてもらった僕はアレを手にして、まるで宝石でも手に入れたかの様に喜んだ。 キラキラと光る丸いもの。 太陽の光に反射して、より一層美しい輝きを放つ青い丸。 「…うーん、開かないよ…」 一生懸命ビンを開けようとする君。 「こうだよ。ペットボトルとは逆に回すんだ。」 と、僕は少し自慢げに教える。 こんな些細な事でも僕は嬉しい。ふとした時に君が友達でよかったなと思う。家が近いという事もあり、僕と君は自然と仲良くなった。 毎年、夏祭りには一緒に来ている。僕はいつもラムネを飲む。ある時、いつもの様にラムネを買おうとすると、君は「私も買う!!」と言って、ラムネを買った。それが小3の時の事。それから、夏祭りに行くと、一緒にラムネを買う事が自然とルールになっていた。 「ほら、取れた!!」 と、僕はキラキラ光る青い丸を君に渡す。     
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