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「~それで、そのとき創史が頭ポンポンしてきたの。」
惚気ける彼女は夕夏と話題の創史。
「ねぇーところでさ、恋をすることを春が来るって言うじゃん」
「そうだね。」
「じゃあくっついたらなんて呼ぼうか。」
ほっといて会話をする奏と奏の彼女の私。
4人でつるみ始めたのが高校の頃。
それからずっと創史と夕夏は両片思いで私と奏でくっうけようと奮起しているのだ。
今日は創史と夕夏、私と奏の4人でキャンプに来た。お互いバイトの合間から擦り合わせた休み。のんびりすることが目的なので特に何かを作ったり出かけたりはしない。
なんて、説明を頭の中で考えていないと暇になるくらい夕夏からの惚気は沢山聞いた。けど先に進まない。
「告白とかしない訳?このまま?」
「こ告白?!言えるわけないじゃん!あいつにそんな…うぅ。」
毎回照れて見せる所も可愛らしいと思うのは私の親バカなのだろうか。いや、親友バカ?
でもこんな調子なのが流石に私も痺れを切らしそう。創史は顔が綺麗で逆ナンされることが多く毎回夕夏が切なそうな顔をしているのを見る。
創史がトイレから帰ってきた。
「なぁ、ここってすごく星が綺麗らしいから見たい。」
「確かに。空気も凄く澄んでるしね。みよっか!」道路を行くと蛍も綺麗だし、と付け加えるとノリノリで準備をする夕夏。
「私たちもトイレ行くから先行ってて。」
「ほら、行くぞ。」
「あっ、待って今行く!ごめんね、先行く。」
ドアを閉めて奏と二人きりになる。
「今のは?」
「二人きりにしたかったの。そっちは?」
「1回気持ち伝えてみたら?と創史に俺が伝えた。」
「よくやった。さぁ、尾行だ。」
「おー。」
「あ、ねえさっきの続き。」
「さぁまだ分からん…あ。」
向こうにも進展があった。
「創史は好きな人いるの?」
「いるよ。」
「え…」
「夕夏、よく聞いて。」
「…うん。」
「俺はね高校の頃から好きなやつがいる。それで今も仲良くしてる。」
「…」
「だから、言おうと思う。」
「・・・だれ。」
「夕夏が好きです。付き合ってください。」
「私で、良ければ。私も創史がずっと好き。」
「じゃあ、よろしくな。」
涙が溜まっているだろう夕夏の近くを舞う蛍がゆっくり川の方へ戻った。
「さっきの質問」奏が話す。
「夏到来、とか。」
「名案採用。」
無言で互いにハイタッチをして夏が来た2人に駆けて行く。4人の夏は今から始まる。
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