1 奪われた心

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タケルの頬には、いつしか涙が伝っていた。 それが何の涙かは、タケル自身にもよく分からなかった。 悔し涙なのか―― 悲しみの涙なのか―― 嬉し涙なのか―― どこかで高支那の繰り返す声が聞こえる。 お前は俺のものだ――と。 タケルはただ… そんな高支那に身を任せ、ゆっくりと目を閉じるのだった。 そのひと時の温もりに… 僅かな安らぎを感じながら…
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