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タケルは一人、誰もいなくなった放課後の教室にいた。
机に足を投げ出し、両手は頭の後ろで組み、眠ったように目を閉じている。
まるでそこだけ時間が止まったかのように静かな時が流れていく。
けれど、周りが静かであればあるほどタケルの中の苛立ちは増していた。
苛立ちがさらに苛立ちを呼ぶ。まさに悪循環の繰り返し。
その時、ふと教室の戸が開く音にタケルはビクリと身体を揺らし目を開けた。
そこに立っていたのは――
担任の高支那だった。
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