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「まだいたのか」
高支那は、端正な顔立ちに凄みを増す冷めた瞳でタケルを見据えると、抑揚なく言った。
タケルはこの担任が嫌いだった。
高圧的で威圧的…その上、冷淡。
32歳という年齢にしてまったく人間味を感じとれない。
優しさや思いやりとはおよそ無縁のこの男を、タケルは真っ直ぐ睨み返した。
ウザイ奴――
そんな言葉を心の中で呟きながらタケルは席を立ち、あからさまに高支那を無視しその横を通り過ぎようとした、その時――
ダンッ!!!
高支那がいきなりタケルの腕を掴み、無理やり教室の壁に押し付けたのだ。
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