1 奪われた心

5/11
前へ
/242ページ
次へ
口では強がった事を言ってみたものの、まるで自分の心の中を見透かされたような高支那の物言いに、タケルは顔を強張らせるのだった。 そんなタケルの動揺を、高支那は見逃さない。 フッと妖しく笑うと、次の瞬間、信じられない行動に出たのだ。 なぜかタケルの唇に、強引に自分のそれを押しつけてきたのだった。 「…んッ……くっ…!!」 不意をつかれたタケルは、一瞬何が起きたのか理解出来ず、頭が真っ白になった。が、身体は必死に抵抗しようと藻掻いた。 しかし壁に強く押さえつけられ、両手を張り付けにされたタケルに、抵抗する術はない。
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1053人が本棚に入れています
本棚に追加