1 奪われた心

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タケルは最後の抵抗とばかりに高支那の唇に噛みついた。 思わず離れた高支那のその唇からは、うっすらと血が滲む。 タケルはそれを微かに震える瞳で見つめていた。 それでも高支那はまったく動じず、こんな言葉を口にする。 「お前…高2でキスは初めてなのか?」 タケルはまた顔を赤くし、気まずそうに視線を外す。 「図星…か」 ククッと高支那が笑う。 「…クソッ」 タケルは高支那に聞こえないように、一人毒づくのだった。
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