「蠍」の最期

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次の瞬間、あたしの後ろから近づいてくる2人がいた。それは『Black Gemini』のトップであり『Arcana』の総帥『World』でもある風雅と『Star』のRookだった。 「朱翼、家の碧流が随分と世話になったみたいだな…」 「風雅!ちょうど良い…お前を殺して俺がこの世界のトップに立ってやる!」 不気味に笑い、折れた刀を風雅に向け、走ってくる朱翼…あたしは躊躇う事なくデザートイーグルの引金を引くと、弾は朱翼の持っている右手を捉える。朱翼の手から刀が落ちた… 「詰めが甘いんだよ!あんたはもう『薬で殺られてる』」 「ならば風雅を道連れにするまでよ!」 「家の『死神』を怒らせたら最期なのを知っての判断かしら?」 「『死神』ね…上等だ。殺せるものなら殺してみろ! てめぇらまとめて、地獄へ連れて行ってやんよ!」 刀を失った朱翼が素早い動きでこちらに向かって来る。しかし風雅もRookも微動だにしない。2人の前にはあたしが立っている…朱翼は隠し持っていたサバイバルナイフをあたしの目の前で振り下ろした。ナイフの切っ先があたしの眼帯を切る。露わになった右目は赤く光っていた。 「紅い目…お前確か両目とも蒼目だったはずじゃ…」 「目に見えるもの総てが真実だと思ったら大間違いだ!」 別角度から襲って来るナイフの動きを瞬時に見定め、ナイフを持つ腕を掴み、そのまま鳩尾に膝を入れる。 膝から崩れ落ちた朱翼…あたしは蒼いデザートイーグルを朱翼の頭に突きつけた。
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