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『女王』との再会と「死神」の涙
『Red Scorpion』との死闘を終えたあたしは、ゆっくりと海の方向へ歩いていく。
「Bishop、どこに行くの?」
「「Queen」を見つけるまで帰れない」
「無理よ!300mもあるのよ?どうやって引き上げるって言うの!」
「出来るよ…「Queen」を連れて帰らなくちゃ」
そう言って歩きを止めないあたしを見てMasterが言う
「Bishop、出来るならやってくれ」
「King様!さすがに無茶では…」
「Rook、それはBishopを見てから言ってくれ…」
「Bishopをですか?」
Rookがあたしを心配して傍まで来た。そしてあたしの顔を見て驚く。あたしは、自分で気が付かないうちに泣いていたのだ…
「モニター班、ジェラルミンケースの位置を捜索して。確か「Queen」のピアスに発信機が付けてあるはず!」
「分かりました」
「Bishop、今「Queen」の事見つけるから。少し休んだ方が…」
「だめだ。「Queen」が見つかるまでは終われない」
「でも…その身体で何が出来るの?」
「まだ大丈夫だから…」
海の傍まで来るとあたしは海を見つめる。「Queen」はこの近くにいるはず。ずっと海を見つめていると、水面の奥底に光るものが視えた。
「あれ…なんだろう?」
「どうしたの、Bishop…」
「あの場所…何かが光ったんだけど、何かな?」
「座標はと…これかな?モニター班に送る。結果はすぐにわかると思うから…でも、見つかっても「Queen」は『人の形を成していない』んでしょ?」
Rookは座標の位置をモニター班に送り、そしてあたしに声をかけた。あたしは黙って水面を見つめるだけだった…
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