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急にモニター班から連絡が入る。
「Rook様、その座標から微弱ですが発信機の信号反応があります」
「深さはどのぐらい?」
「推定で250~300mになるかと。引き揚げはどうしますか?」
「こちらには引き揚げる機材はないわ。今から用意したらどの位かかる?」
「早くても1時間半はかかるかと…」
そんな会話をしている傍で、あたしは海に向かって腕を伸ばす。もう少しで海面に手が届く、あと少し…
「Bishop、何やってるんだ?おい、落ちるぞ!」
「大丈夫…あと少し……と、届くから…」
そう言って手が水面に着くという瞬間、あたしの意識が急に薄れ、大きな音と共に、そのまま海に落ちてしまった。
「Bishop!Rook、ロープか何かないか!」
「ロープなら確か車の中にあるかと…今持ってきます!」
KingとRookがあたしを海から引き上げるために必死になっている。他のメンバーは船を用意したり、ダイバーの用意を始めている。
「やはり『Red Scorpion』との闘いが影響したか…」
「あの人数を『殺さず』に1人でですからね。最後の朱翼との闘いでもかなりの体力を消耗していると思います」
「海上から探そう。日没までに見つけないと危ない」
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