カミツキザメとキョダイザメ

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貝殻のプレートに盛り付けられた朝食を、ナンチュ君は無表情で見つめていました。 喉を通る気がしません。 「ママ、ごめんなさい。いらないや」 「ナンチュ、カナちゃんが居なくて寂しいのはわかるけど、早く元気出しなさいよ」 ママの優しささえも、ナンチュ君には苦しいばかりです。 「やっぱり、パパとママが正しかったんだね。僕のせいで、大切なカナちゃんが連れていかれちゃったんだ」 「例の活動も、もうやめちゃうの?」 「もう、いいんだ」 ナンチュ君は下を向きました。 「本当にいいの?」 ママはナンチュ君の顔を下から覗き込みました。 「しつこいなあ、もう終わったことなんだよ!」 「そっか。だけど、ママは残念だなー」 ママは、意外なことを口走りました。 「変異種がどうの新説がどうのなんて難しい話は、ママには理解できないわ。だけど、怠け者で有名なあのナンチュ君が、あーんなに目を輝かせて、一生懸命に活動しているところを見ていたら、なんだかママも嬉しくなっちゃって。パパに内緒で、こっそり応援していたのよ」 ママは、見守ってくれていたのです。 ビラをばらまいたり、張り紙を掲示したり、その他あれこれ……。 「やめちゃうなんて、もったいないわ。決めるのはナンチュだけど、これだけは覚えておいてね。ママはどんなときでも、ナンチュの味方よ」
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