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私は青い空を観たことがない。
私が見ている空は、飛行機が飛んでいて、太陽も見えないほどの暗い空。
「いつかは青い空を見てみたいなー」と、思う。私が生きている間に見てみたい。
私は今、戦場にいる。毎日が銃声の音で耳がおかしくなりそうになる。おばあちゃんは皆が泣いているときに、「青い空が見えたら、この苦痛な日々も終わるよ」と、慰めてくれた。それから、おばあちゃんの言うとおり、毎日空を見上げ青いか黒いかを見るが、その空は、、、青くならなかった。
そんなある日、おばあちゃんが死んだ。私とおばあちゃんのご飯を探しているときに、流れ弾に当たったらしい。私は、悲しかったが泣こうにも涙が流せるほどの水が私の体には無かった。
おばあちゃんが死んでからしばらくしたある日、外に出てみるとなんと明るいのだ。太陽が見えて、昨日まであった黒の空が嘘のような明るさだ。
しかし、明るすぎて色がわかんなくなる。何分か見ていると、それが青色だとか初めて知った。私は嬉しくなってその場をに寝転がったまま目を閉じた。
その1分後、彼女は見回りをしていた兵隊によって遺体で発見された。からだの水分はほとんどなく、体は骨だけのようだった。本来なら頭痛や幻覚が見え苦しみそうだが、彼女は笑顔で発見された。
戦争は命を奪うと共に「普通」を「特別」に変える。その事を私達はまだ知らない。
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