まどろみの中に

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 しかしある日、突然彼女がいなくなってしまった。 いつもすれ違う廊下にも、彼女のいつも座っていた席にもその姿はなく、初めは体調でも悪くしたのだろうと、そのつまらない光景を眺めるだけだった。 だが、それが数日、数週間となると、私は胸にざわざわとした嫌な違和感を覚えるようになった。  ただの休みではない。 そう考えると、私の足は学食を食べる彼女の友人たちの輪の中に急に入り込んだ。 「彼女は?」 「彼女なら、入院しているよ」 ざわざわとした胸の違和感は当たっていた。 私はその返答を聞くと、すぐにその友人から病院の名を聞き出し、昼飯など考えもせず、今すぐにと足早に彼女のいるという病院へと向かった。
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