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 溺れるように夢中になって陽を抱いた達也が、目が覚めて冷静になってしまうのが怖かった。  だけど、しがみつくほどに強い力を返してくる達也に、後悔しないのかと問うのはもうやめよう。  誰よりも暖かい。  誰よりも力強い。  そしてきっと、誰よりも陽を想っている。  しがらみも未来も、難なくすり抜けていくまっすぐさで。 「どうでもいいけど…、随分部屋が散らかっているような気がする」  達也の腕から目だけを出して、見なくてもわかる惨状を一応見回してみた。  周囲は脱ぎっぱなしの服やノートや、食べ散らかしたスナック菓子の袋などで足の踏み場もない。  達也が陽をお姫様抱っこしてこの寝室に入って来た道筋が出来ている。  きっとそれは玄関から続いているはずで…。
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