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 翌日から痴漢行為はピタっと無くなった。  あの中年男にずっと付け狙われていたのだと悟ると、改めて背筋が寒くなる。  エスカレートした変態は何をしでかすかわかったもんじゃない。  兄には決して知られたくない話だ。  そして助けてくれたあの人にもう一度会いたいと願いながら叶うことはなく、たまにやっぱり痴漢にあったりして、そんな時は迷わず一旦ホームへ出ることを学び、大学と家とを往復するつつがない生活が続いた。  友人宅へ遊びにいった帰りの駅で、頭一つ飛び出たあの人に再会したのは、きっとものすごい偶然か、運命か、そのどちらでもどうでもいいほどに心臓は跳ね上がり、舞い上がった。  陽は、この機会を見逃したらいけないとせかされるようにして彼を追った。
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