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迷う陽にマスターが今度はニマニマとした笑いを見せる。
「彼ね、水曜もいるよ。不定期だけど」
まるであの人狙いでバイトをするのがバレているような口ぶりだったので、兄とお金とあの人とを複雑な天秤に掛けて、だけど限りなく本能に近い判断で、
「水曜日も土曜日も大丈夫です」
と言い切る自分がいた。
我ながら潔い決断だ。
18年生きてきて初めてだったかもしれない。
自分は兄が居なければ何も出来ないというのに。
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